小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

舞うが如く 第3章 1~3

INDEX|4ページ/10ページ|

次のページ前のページ
 




舞うが如く 第三章
(2)清河の野望

京に到着した、2月23日の夜のことです。
それまで浪士組の外で行動していた清河八郎が、
新徳寺の本堂に、浪士組の全員を集めました。


 「京へ来たのは近く上洛予定の
 将軍家茂公の守護のためとはただ名のみである。
 我が真実は、尊皇攘夷の先鋒たらんとすることにある。
 我々は幕府の録を食むものではない。
 天皇の命令を妨げるものは、
 幕府の役人といえども容赦しないのだ」

 と演説をはじめます。



 この当時に清河は、
すでに江戸において尊王攘夷を論ずる
「虎尾(こび)の会」を結成しています。
浪士隊の上洛の真の目的が、将軍の警護ではなく
朝廷の勅命を受けて、攘夷の先陣部隊になることにあると力説をします。
「ご異存はござるまいな」と決めつけ、
すでに用意されていた朝廷に提出する建白書に
全員の署名をもとめました。



 清河の腹の中では
浪士組の人数を利用して、朝廷に建白書を出し、
攘夷実行の朝命をうけ、関東に帰り
攘夷を実行するという計画が秘められていたのです。