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舞うが如く 第3章 1~3

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 マーシャルとクラークも深手を負い、
ボロデール夫人に
「あなたを助けることができないから、
ただ馬を飛ばして逃げなさい」とだけ叫びました。
 ボロデール夫人も一撃を受けましたが、、
帽子と髪の一部が飛ばされただけの無傷であり、
真っ先に横浜の居留地へと駆け戻り、
救援を訴えました。

 マーシャルとクラークは血を流しながらも馬を飛ばし、
神奈川にある、当時アメリカ領事館として使われていた本覚寺へ
駆け込んで助けを求め、ヘボン博士の
手当を受けることになります。

 この少し前、島津の行列に遭遇した、
アメリカ人商人のユージン・ヴァン・リードは、
すぐさま下馬した上で、馬を道端に寄せて
行列を乱さないように道を譲り、
脱帽して行列に礼を示しており、薩摩藩士側も
外国人が行列に対して敬意を示していると了解し、
特に問題は起こらなかったといわれています。


 諸外国と次々に通商条約を結び、
利権の独占を計る、幕府の要人たちの動きとともに、
横浜を中心に居留する外国人は、
攘夷論者たちから見れば
かっこうの「天誅」の標的ともいえたのでした。

 攘夷派・薩摩の武士たちが
血気にはやりりすぎたこの挙動が、歴史の歯車をさらに
前へと推し進めることになるのでした。