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アイラブ桐生 第三章

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 その手元には、
いつの間に買ったのか、お土産袋がふたつばかり握られていました。
そのまま車まで、急いで戻れと行っているようです。
もう行くのかと思いつつ、車まで戻ってくると、

 「はい、綺麗なお嫁さんからの、初めての貢物。」

 と、袋の片方を手渡します。
もう一つは自ら封を切り、中から原色でど派手なアロハシャツを取りだしました。
「ちょっと待て、」という暇さえありませんでした。
今朝、着替えたばかりのシャツをあっというまに脱ぎ捨ててしまうと
ブラジャーまで取り外してしまい、素っ裸の状態になってしまいました。
しかし臆する様子も見せないレイコは、平然と鼻歌などを口ずさみながら、
買ってきたばかりのアロハに着替えようとしています。

 幸い周囲に人影はなく、やれやれと一息つきながら、
なをもあっけにとられて、その様子を眺めていると、

 「お揃いだから、君も着て。」

 と、すました顔で命令をされてしまいました。

 ハイハイ・・解りましたと着替えてから
これでいいですか、と、レイコを振り返って見て、
そこでまた、度肝をぬかれてしまいました。


作品名:アイラブ桐生 第三章 作家名:落合順平