小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

アイラブ桐生 第三章

INDEX|11ページ/19ページ|

次のページ前のページ
 


 「あれ、
 ほら、民宿の看板。」

 なるほど、レイコが指差す先には、
電柱に取りつけられた、小さな民宿の古ぼけた看板が見えました。
たしかにそれは民宿の看板でしたが、見るからに古いもので
その存在自体が危ぶまれました。

 「泊りたいわねぇ・・・」

 もう、レイコは完全にそのつもりでいるようです。
此処の景色辿りついたときからもうレイコは、この北陸を代表するような
素朴な入り江の景観にすっかりと、心を奪われていました。
しかし看板だけでは、どこにあるのかも解りません。


 「有るのかなぁ。」そう思いながら、
眼下の入り江沿いに視線を流していくと、


ありました!。
看板とおなじように、すっかり古びて錆びきってしまった建物が。

 出来すぎだろう・・
そう思いながらも、とりあえず泊まりの交渉に
行ってみることになりました。

 今は、もう営業はしていないという話でした。
しかし、予想に反して
「家族と同じ食事でも良ければ、泊めてもいい」
という返事が返ってきました。
はるばると群馬県の方から飛び込みで来るなんて・・と
向こうのほうが、逆に恐縮しきりでした。

 一休みができるなら助かるな、
と思いきゃ・・休むどころかレイコは、
ふたりの子供たちといきなり表に出て、遊び始めてしまいました
夏休みで、里帰りをしている、お孫さんたちです。
そうだ、レイコは、保母さんになるのが夢でした・・・


作品名:アイラブ桐生 第三章 作家名:落合順平