アイラブ桐生 第二章
とにかく人ごみを避けて、
馴染みの喫茶店まで引っ張り込むまでが、大変でした
「なんで、こんなところに、
あんたがいるの。」
・・・それは、こっちが聞きたいくらいです。
落ち着いたかと思えば、
また突然泣きじゃくって、暴れだしました。
・・・おいおい、よせよ、浴衣が大変なことになる。
やがて力も抜けて、
レイコが座席に座って悄然としはじめた頃には、
最初に頼んだ私のコーヒーは、口をつける暇もなかったために、
すっかりと冷めてしまいました。
覚悟を決めて一気に口に含んだものの、それはまるで、
出来損ないのアイスコーヒー、そのものでした。
「それで・・
何がどうしたって?」
「大きなお世話!。」
また、元気にさせてしまいました。
これ以上、相手にしては面倒になると思い、
タバコが空になったのをきっかけに、立ちあがってカウンターへ移動してしまいました。
パイプをふかして暇そうなマスターに、ウイスキーのダブルと煙草を頼み、
それを待つ間に少し立ち話が始まりました。
作品名:アイラブ桐生 第二章 作家名:落合順平