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アイラブ桐生 第一章

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 まったくその通りでした。
たぶん意識して、レイコを見ていなかったせいだと思いました。
そういえば、あまりにもチビだったレイコが、
朧(おぼろ)げながら、いつも周囲に居たように思い出されてきました。

 「お前、チビ、だったな。」

 「やっと追いついたもんね。」
と今度は、背伸びをしながら嬉しそうに笑いました。


 そういえば・・・
柔道部の道場から見える校庭には、
一番手前にテニスコートが見えていました。
短いスカートをひるがえして、
元気にテニスボールを追うレイコの姿が、いつもそこにはありました。
そうか、レイコは私の目と鼻の先に居たんだ・・・

 演劇部が使っていた部室の隣は、
レイコがいつも居た、吹奏楽部の音楽室でした。
そう言えばレイコは、楽器演奏がなによりも苦手のくせに、
別の場所で練習をしていたコーラス部には入らずに、
なぜか、吹奏楽部を選びそこの副部長までも務めていました。


作品名:アイラブ桐生 第一章 作家名:落合順平