小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

アイラブ桐生 第一章

INDEX|16ページ/20ページ|

次のページ前のページ
 


 とりあえず、電車と地下鉄を乗り継いで
帰り足の始発駅となる、東武線・浅草駅まで戻ることにしました。
下りロマンスカーの時刻表を見上げていたら、
横から顔を出したレイコが、またポツンと耳元でささやきます。

 「ゆっくりでいいわよ、
 二人で、少し浅草を歩こうよ。
 めったにない機会だもの、
 最終のロマンスカーで帰ろう。」
 

 また至近距離に近づいてきたレイコの、
甘い化粧の香りに(少しだけ)ドギマギとしながらも、
え、12時前だぜ、まだ、と応じると、

 「そんなに私と居るのが嫌なの?
 わかりました。
 あなただけ、さっさと帰ってちょうだい。」

 と今度は、きっちりとふくれてしまいました。

 最終のロマンスカーでも、
浅草駅からの出発は、午後の8時台でした。
そこから2時間がかかったとしても、桐生には10時頃には戻れます。
まぁ、たまにはいいか・・・
そう思って、最終でふたつ並んだ座席の切符を買いました。
それを一枚手渡そうとすると、即座にレイコが目で拒絶をします。
持っていろってか・・・



作品名:アイラブ桐生 第一章 作家名:落合順平