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アイラブ桐生 序章・はじめに

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 高校へ進学してから
2カ月ほどたったある日、レイコから電話がかかってきました。
「至急の用事があるから、明日の通学時に、
桐生駅の北口にまで来て。」と、命令半分に呼びだされました。


 レイコとは、すこぶる古い付き合いです。

 身に覚えが無いまま、言われた通りに
わざわざバスを乗り換えて、桐生駅の北口へ出向きました。
北口のバス停には、笑顔のレイコと、少し緊張気味のM子の
二人が立っていました。

 「別にこれという、用事もないけれど、
 たまには、3人で歩きましょう。」

 というだけで、
そのくせレイコは、二人を置いてさっさと先を急ぎました。


 通学時間帯の電車が着くたびに、
たくさんの高校の制服が、一斉に山の手通りを歩きはじめます。
なるほど、これなら目立たない・・・
そう納得をして、それから三人で歩く日課が始まりました。

しかし三人ともが、それぞれ別の高校でした。
そのうちに、いつのまにかレイコ姿が消えてしまいました。
制服が夏服に変わるころには、あたりまえのように、
M子と二人きりが定着をしました。


 中学時代の私は、
勉強はそこそこに、放課後ともなると、
柔道部と、演劇部をかけもっていた文武両道の美少年でした!


 そこのあなた。今、クスッと笑いましたね!


 特に柔道は、
「どうせやるなら、本格的に徹底してやれ」
というオヤジの武道好きと教育方針のために、汽車で40分もかけて、
県都・前橋市の道場まで通うことになりました。

 まだ、小学校の3年生だったと思います。
柔道着を担いで、一人で数年間にわたって前橋の道場まで通い続けました。
柔道は、礼に始まって礼に終わりますが、
私の初恋もまた、いつの間にかはじまって、
柔道によって邪魔をされて、終わってしまいました。