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アイラブ桐生 序章・はじめに

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(3) 序章・ 初恋の終わり



 山の手通りは、JR桐生駅から出発をします。
前橋市と桐生を結ぶ私鉄の上毛電鉄・西桐生駅を経由してから、
市内西北方面の山裾沿いを、時計回りに
桐生天満宮と、市内循環バスの車庫がある天神町まで続く
環状の生活道路のひとつです。




 途中には、景観の良い小高い「水道山」へと登る道があり、
その途中には名画を集めた、小じんまりとした美術館もあります。
斜面に造られた動物園と遊園地へもこの道から分岐をしていきます。

 古くから市民に親しまれてきた通りの一つです。
すぐ近くまで迫ってきている山裾と、その周辺を巡る散策は
季節ごとに格別の景観も見せてくれます。
また吾妻山へ向かう本格的なハイキングの登山道も整備されていますので、
休日や行楽の季節にはいつもと違う、たいへんな
賑わいぶりを見せてくれます。

 しかし平日は静かそのものです。
朝夕に学生服とセーラー服が頻繁に往来をするだけで、
あとは、人通りの乏しい静かな路に
変わってしまいます。

 初恋の相手、M子さんは、
この通りに面した女学校へ進学をしました。


 山の手の通りは、
二つの駅から降りた大学生と、
高校生たちが、ともに通学をする道です。



 M子とは、幼な馴染として普通に付き合ってきて、
それが中学2年の時に、レイコの仲介で正式に付き合うことになりました。
お互いの高校進学を機に、会う回数も一緒に居る時間も
極端に少なくなり始めました。

 私にしてみれば、柔道と演劇と言う
二つのかけもちの部活動で、多忙を極めただけの話ですが、
共通の友人であるレイコがまた、
ここで気を揉み始めました。