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アイラブ桐生 序章・はじめに

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(2) 序章・ 「天満宮」から始まる街



 3方向を山に囲まれて、
盆地の様な地形を持つ桐生市では
そのド真ん中を南北に、どこまでも直線が続く「本町通り」が
背骨のように貫いています。
そこへ碁盤の目のように、主要な通りが東西に交差をします。
さらにこれらの間をつないでいるのが、
軒下を縫うように曲がりくねっている路地たちです。

 

 本町通りの出発点には、桐生天満宮が鎮座をします。
ここが、桐生市街地の基点です。
天満宮の鳥居前が、本町一丁目で
そこから市街地が、一斉に南へと向かって
扇のように広がります。

天満宮までまっすぐに伸びてきた本町通りは、
この鳥居の手前で右へ迂回をして、隣接する
群馬大学の敷地の脇を通り抜け、
さらに、梅田のダムがある最奥地に向かって北上を続けます。
本町通りにかわってその延長線上に現れるのは、
桐生天満宮の石畳です。

 この界隈には、戦禍を逃れた昭和初期からの
低い木造家屋がたくさん密集をして立ち並んでいます。
また、織物の町・桐生を象徴する独特の三角屋根の織物工場も、
かなりの数で残されています。

 商店街の中心となるのは、本町五町目です。


 商店街の中心に当たる、そこの交差点から、
一筋東に入ったところに、桐生で最大の歓楽街、 「仲町通り」があり
その入口には(昨日、紹介済みの)名士たちの社交の場、
「桐生倶楽部」が、建てられています。


 ここが名士や旦那衆、商工業の関係者が
好んで使った歓楽街とするならば、もうひとつ、国鉄桐生駅の
すぐ東には、庶民たちの憩いの場とも呼べる、
庶民的な「盛り場」がありました。