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第四章三話 再出発の朝

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「お前たちの身なりからして剣術部隊だな。」
「はい。私が剣術部隊隊長西王。階級は大佐です。」
「俺はマニラ侵攻第30連隊の大橋だ。君達は職務を全うしているとは到底思えない。何をしているのだ。」
キリッと睨む大橋に反抗しようとするものもいたが、なんとか抑えた。
「剣術部隊が色々な事情があることは知っていますでしょう。」
「あぁ。知っている。だからこそ、一日でもはやく、憎き連合軍を倒すのがお前らの使命だろうが!たるんでいる!!」
「俺達のこと知らないくせにギャーーギャーー言うな!!」
「なんだと!!そこに直れ!根性叩き直してやるわ!!」
日本兵同士の争いが始まろうとしていた。
「Stop! Stop! !」
(止めて!止めてよ!!)
インソプが割って入ってきた。
「Bakit laban? Kahit na ang parehong Japanese…」
(どうして争うの?同じ日本人でしょ・・・)
「うるさい!黙れ!!」
バシンと大橋の部下はインソプを叩いた。
「Insopu!!」
(インソプ!!)
ファンフはギッと睨むと大橋の部下はファンフに近づいた。
すると前に立ちはだかったのは
「チェルグさん!」
「Che cosa è ciò che voi siete?Anche se molti lo stesso giapponese Ito Ara.」
(君達は何様のつもり?同じ日本人なのに随分と格が低いね。)
「イタリア兵がどうしてここに」
「Forze Fence aveva aiutato tutti.」
(剣術部隊の皆が助けてくれたんだ。)
一歩前に出ると
「Colui che è molto forte.
Avere sul forte spirito giapponese.
Voi ragazzi siete contro di esso e」
(彼達は強い。強い上に大和魂を持っている。それに反して君達は)
クスッと笑うと
「ヘタレだよね。」
その言葉に激怒した大橋は拳銃を向けるが
「大橋殿。私達はこれからあなたの指揮下に入ります。それでよろしいでしょう。」
「なっ!!」
剣術部隊は西王隊長を見た。
「彼達は少し気分が高調しています。このフィリピンに来るまでにそれぞれの班に暗い事情があります。どうか察してやってください。」
すると大橋は
「まぁ、一日だけ猶予をやる。明晩に迎えをよこす。」
すると第30連隊は村を去っていった。
一同は睨んでいるとき、墨田がチェルグによくやったと近づくが
「・・・・・・」
「墨田?どうしたんだい?」
「チェルグの奴、気絶してる。」
「・・・・チェルグ・・・・」
するとさっきまで隠れていた村人は心配そうに近づいてきた。
「どうした?ファンフ、インソプ。」
「OK? Huwag saktan?」
(大丈夫?怪我してない?)
「Ay naiiba mula sa parehong Japanese, bakit」
(同じ日本人なのにあいつら乱暴だ。)
「とても心配しているようですよ。」
石賀さんが助言した。
「石叔父さん・・・・あれ?風太兄?風太兄?!」
「雷太、どうした?ん、なんだい?え、なんだって!!」
村人の話を聞いた石賀さんは大声を出した。
「どうしたのですか、石賀さん。」
「風太が・・・・先ほどの軍人と一緒に歩いていたと。」
「風太兄!僕達と間違えて行っちゃったんだ!!」
「むやみに外に出ても危険なだけだ・・・大丈夫。
あの人たちも同じ日本人だ。見捨てやしない。」
不安なまま太陽は西へと沈んだ。

作品名:第四章三話 再出発の朝 作家名:sanze1991