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第四章二話 警戒と再会

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すると
「?!」
一人の男の人が出てきた。
男の人は驚いているのか、固まったまま立っていた。
「えっと俺達は」
すると風太と雷太は目を輝かして
「「石叔父さん!!」」
石叔父さんに飛び掛った。
すると大笑いをして
「やっぱり風太と雷太か!!久しぶりだな、お前たち元気だったか!!」
「うん!石叔父さんも元気そうで何よりです!」
「二之前。説明してくれないか?」
現状についていけない兵士達代表として西王隊長が問うと
「あ、申し遅れました。俺は風太と雷太の叔父の石賀卓(いしが たくみ)と申します。」
深々とお辞儀をすると一同もお辞儀をした。
「村へ案内します。どうぞ。」
石賀さんはファンフ達に説明すると先へ村へと走った。
「その前に一つ聞いてもいいですか。」
上級の兵士が前に立った。
「あなたは大日本帝国の国民であるのにもかかわらず、どうして帰国をしなかったのですか。戦争を知らなかった・・・わけないですよね。」
それは多分誰しもが思った疑問なのではないのだろうか。
他の兵士達もそれを契機にジッと見ていた。
「俺がこのフィリピンに来たのは今から10年も前です。
私は医者としてこのカミビにやってきました。
カミビは医者がいなくて、小さい病気でも死に至ることがあります・・・
私はこの村の人たちを助けたいと心の底から思いました。」
「・・・・・」
「開戦はラジオで聞きました。国のことが心配じゃなかったといったらウソになります。家族のことや親のことも心配でした。
しかし、それと同じくらいにカミビの皆さんも心配でした。
俺がいなくなってもしものことがあったらと思うと・・・・・悩みました。
夜も眠れないぐらいに・・・・
そんな時母から手紙がきたのです。
そこには、『私たちのことは心配しなくていい。職務を全うしなさい。』と。
だから俺はここに残りました。」
後悔はしていませんというと一同黙って石賀さんを見ていた。
すると一人の兵士が
「僕・・・・僕の父も医者です!
父は患者さんを残して兵隊になることをとても後悔してました・・・だから!!
いいと・・思います」
ゆでたこのように顔が赤くなりながらも必死で言った姿に
「よく言った!!かっこいいよ!!」
源五郎は感激して飛びついていた。
上級の兵士はわかりましたと言うと元の位置に戻っていった。
「それでは、案内をお願いします。」
「わかりました。こちらへどうぞ。」
そしてカミビへと向かった。
作品名:第四章二話 警戒と再会 作家名:sanze1991