信長、蘇生せよ、この悲観の中に
「へえそうなんだ、京を血で染めると彫ってある金印の事か、なるほどなあ、天下布武の実行のための象徴として、それが必要なのか、奈美ちゃん、直ぐに地下道へ行ってみようよ」
こうして高見沢と奈美は、再び本能寺の地下道へともぐり込んで行ったのだ。
そしてそこで二人が目にしたもの、それは心臓が飛び出してしまうのではないかと思うほどの驚愕。
なんと信長が地下道で、金印をしっかり握り締めて … 死んでいた。
しかも、腹を十字に切って。
クローン・織田信長の見事な切腹だ。
そして、その信長の横には、遺書が放り投げられてあった。
高見沢と奈美は遺体に手を合わせ、驚きの中で遺書を開き、じっくりとそれを読む。
作品名:信長、蘇生せよ、この悲観の中に 作家名:鮎風 遊