信長、蘇生せよ、この悲観の中に
「高見沢さん、その通りだけど、感心している場合じゃないわよ」
「そうだね、さて問題は、具体的にどうするかだなあ」
だが二人にはなかなか妙案が見つからない。
そして、ほとほと困り果ててしまった。
そんなある日、信長が忽然とマンションから姿を消してしまったのだ。
高見沢と奈美は、もう何をしでかすか分からない、危なっかしい信長を血眼になって捜し回った。
しかし、音信不通の行方知れず。
「奈美ちゃん、めっちゃテンションの上がった信長のバカ、一体どこへ消えてしまったんだろうね、まさか誰かに暗殺されたんじゃないだろうなあ」
「高見沢さん、そう言えば思い出したわ、いつだったか信長君が、元本能寺の地下道にもう一度行ってみたいと話してたわよ、確か天下布武の金印が残っていて、それを取りに行きたいと漏らしていたような?」
奈美はそんな事を思い出し、高見沢に告げた。
そして、「どうしようか?」と高見沢に目を合わせて来る。
作品名:信長、蘇生せよ、この悲観の中に 作家名:鮎風 遊