小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

信長、蘇生せよ、この悲観の中に

INDEX|75ページ/111ページ|

次のページ前のページ
 

石蔵の中は十メートル四方はあろうか、意外にも広い。
そしてその壁側に、ホコリを被った塊がどんと積まれてある。

奈美は興奮を抑えながら指先でホコリを拭い、懐中電灯で照らしてみる。
すると、なんと金色にキラッと光るのだ。

「わあああああ、スっゴイわ、高見沢さん、これ全部黄金よ、ヤッター! 遂に私達が見つけたのよ、全部でいくら位の値打ちがあるのかなあ、少なく見積もっても多分百億円はあるわよね、ウフフフフフー … 最高!」 
奈美が一気に舞い上がっている。

「高見沢さん、こんな金塊が安土城の地下に眠っていたなんて、これこそ私の生涯の中で、最高のエクスタシーだわ、私何よりも、黄金が一番好っきー! そうだわ、これだけの黄金があれば、もう男なんかいらないわ、やっぱり男より、黄金よねぇー」

奈美が男より黄金の方が好きだと、一大宣言するほど感極まっている。
そして恍惚状態。

「信長、お前ホント偉いやっちゃ、さあ今日のところは、当座の必要分だけを持って帰ろうぜ、そこの鞄に詰めるぞ」

「合点だ! 少なくとも一億円のお持ち帰り、許してやるぞ」
高見沢と信長、もう二人は気も狂わんばかりに金塊を鞄に詰め出している。

しかし、金はさすがに重い。
持ち上げると、鞄の紐が今にも引きちぎれてしまいそうだ。