信長、蘇生せよ、この悲観の中に
安土城の歴史ファンが必死で探している蛇石。
それは、信長の情報によれば、天主の真下の地下にあるとの事。
さらにその下に、黄金の金塊が眠る石蔵があるらしい。
そして、そこへと通じる横穴の入口が、今目にしている北斗の双子岩だと言う。
「確かにこれはスゴイ発見だよ、ところで信長、現実の入口なるものが見えないけど、一体どこにあるのだよ?」
「至極明白でござる、二つの岩がもたれ合っている隙間がござろう、そこが入口ぞ、さあ高殿、ちょっと掘ってみようぞ」
こうして三人は、入口があると信長が明言した辺りを、泥まみれになりながら三十分程掘ってみた。
そして遂に、石蔵への入口がぽっかりと口を開けたのだ。
「おっおー、これが軍資金への入り口か、まさに日経平均3万円への幸福のエントランス、おっと、奥の方へと穴が続いてるぞ、カンゲキー!」
早速三人は恐る恐るだが、その入口から地下へと潜り込んだ。
そして懐中電灯を頼りに、横穴を奥へと進んで行く。
横穴は石で頑強に組まれた地下通路だった。
その暗闇の中を暫らく進んだだろうか、三人はとうとう石蔵へと辿り着いたのだ。
作品名:信長、蘇生せよ、この悲観の中に 作家名:鮎風 遊