信長、蘇生せよ、この悲観の中に
こんな過程の中で、信長は中国儒教の春秋左氏伝(さしでん)から、「暴を禁じ、兵を治め、大を保ち、功を定め、民を安んじ、衆を和せしめ、財を豊かにする」と言う「七徳の武」を学んだ。
そしてクローン・織田信長は、自分の運命・「七徳の武をもって天下統一をする」、その「天下布武」を修得した。
すべてが順調だった。
しかし最近、高見沢と奈美には心配事がある。
御多分に洩れず、やっぱりお金の問題。
資金が不足して来たのだ。
「高見沢さん、弱ったわ、お金がなくなって来たの、あと一年、このままで行くと、私達のプロジェクトも破産しそうだわ、ファンドでお金を集めた人達へのリターンも始めなければならないし、何か一時金の入る方法ないかしら?」
奈美は心配顔で、高見沢に相談を持ち掛けて来た。
「うーん弱ったね、せっかくここまで頑張って来て、破産ではなあ … そうか株で一儲けするか」
高見沢も事態の深刻さを理解している。
だが一時金入手の妙案がない。
作品名:信長、蘇生せよ、この悲観の中に 作家名:鮎風 遊