信長、蘇生せよ、この悲観の中に
今信長は、高見沢が借りている京都御所近くの賃貸マンションで暮らしている。
信長は現在、成長過程。
奈美の力の入れ方といったら、これがまたスゴイ。
一途な愛情を持って、まるで年の離れた弟のように可愛がっている。
奈美は時間を見つけては東京から駆け付け、一所懸命信長の面倒を見続けて来た。
一方高見沢はというと、ありとあらゆる歴史書を信長に買い与えた。
信長はそれらを次から次へと読破し、またインターネットで検索した膨大な歴史情報を脳内にインプットして行った。
こうして信長は、四百年前の出来事をすっかり擬似体験してしまう。
こんな高見沢と奈美の努力の甲斐もあり、信長は見事に二十一世紀型の若きニュー・リーダーへと凛々しく成長したのだ。
作品名:信長、蘇生せよ、この悲観の中に 作家名:鮎風 遊