信長、蘇生せよ、この悲観の中に
ホント日本国中、不幸福(ふしあわせ)だらけ。
日経平均株価は、地獄との境界線、その一万円ラインを切ってウロウロしているだけだ。
それはウン十年前の一九八四年頃に、まさに戻ってしまっている状態。
高見沢は、三十歳の時からハラハラと緊張感を持って人生を過ごすのも良いかなあと思い、株式遊びを始めた。
多分、中年世代のサラリーマンはみんなそうなのだろう。
いつの日かミリオネアーになることを夢見て、全身全霊を傾けて買い集めて来た愛すべき銘柄達。
なんと今あらためて眺めて見ると、大損の塩漬け銘柄ばっかり。
「こんなはずじゃなかったよなあ … 天井三日底三年、逆説的に言えば、どんなに悪い市場でも、三年に一回くらいは、三日間の天井はあるはず」
高見沢の口からついつい愚痴が飛び出して来る。
そして止まらない。
作品名:信長、蘇生せよ、この悲観の中に 作家名:鮎風 遊