小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

信長、蘇生せよ、この悲観の中に

INDEX|31ページ/111ページ|

次のページ前のページ
 

南禅寺山門前に待つタクシーに乗り込み、高見沢は運転手に、「元の本能寺の跡地に行ってくれない」と告げた。
しかし意外にも、「お客さん、元の本能寺ってどこにあるんですか?」と尋ね返して来た。

日本の歴史を大きく変えた本能寺の変。
その本能寺が一体どこにあったのか、地元のタクシーの運転手さんさえも知らない。

テレビドラマや映画で本能寺の変のシーンをよく観る。
しかし、四百三十年前に実際に起こった現実の場所は、世の中からは忘れ去られてしまっているのだろうか。

「あのね運転手さん、憶えておいてね、四条油小路(しじょうあぶらのこうじ)を少し上がった所に、本能寺はあったんだよ、そこへ行ってくれはる」
「へえ、そんなとこにあったんでっか、えらい町中でんなあ」と運転手が驚いている。

タクシーは高見沢がナビするままに走り、そして二人は四条油小路で降りた。

そしてそれから百メートルほど北へと歩き進んだ。