信長、蘇生せよ、この悲観の中に
「高見沢さん、ちょっといい、私ねえ、丹波まったけのダイエット・グルメも良いけど、このプロジェクトを組む前に、信長が地下道に眠っているという本能寺に行ってみたいわ、まずは現地を確認したいの、だからお願い、今から連れて行って下さらない」
夏木奈美も徐々に熱が入って来た。
「そりゃあ当然の話しだね、大事を起こすにあたっては、まずは現地を見ておきたいよなあ … 本能寺の変で焼けた後、秀吉が御池寺町通下ル(おいけてらまちどおりさがる)の方へ寺を移したのだけど、その新しい本能寺じゃなくて、光秀が攻め入った元本能寺のあった場所に連れて行ってあげるよ」
「だけど、この世紀のミステリー、私、嵌りそうだわ」
奈美が今その豊かな胸をときめかせている。
それが高見沢に伝わって来る。
湧いて来る好奇心と興味をもう抑えられない様子。
二人は急遽元本能寺を訪ねることとした。
作品名:信長、蘇生せよ、この悲観の中に 作家名:鮎風 遊