信長、蘇生せよ、この悲観の中に
六月一日の夜。
旗印は水色桔梗。
遂に明智光秀が動いた。
亀山城から、表向きには中国攻め援護のための出陣だったが、突如光秀は「敵は本能寺にあり」と命を下し、方向を変えて老ノ坂(おいのさか)を越えた。
明けて六月二日未明。
信長を襲撃。
これが世に言う本能寺の変。
すべては明智光秀の決意のままであったし、また織田信長の筋書き通りでもあった。
光秀の軍勢は、予想以上の一万三千の大軍。
それに比べ、信長の警護の人数はたったの百人程度。
まともに当れば、この陣容じゃとてもかなわない。
しかし、さっさと地下道へと姿をくらましてしまえば何ともない。
作品名:信長、蘇生せよ、この悲観の中に 作家名:鮎風 遊