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信長、蘇生せよ、この悲観の中に

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それもそのはず、天下布武のため、どこかの時点で光秀が自ら謀反を起こすようにずっと仕向けて来ていたのだ。

光秀による謀反は必ずあると信長は確信していた。
その時こそ、天下布武の実行のチャンスと虎視眈々と狙っていた。

信長は、光秀の宣戦布告にも近い決意表明、「時は今、雨が下しる五月哉」を知り、天下布武実行の機は来たと直感した。

そのためなのか、その日、信長は公家衆を招いて茶会を催した。
そして、伴の数は十数名という考えられぬ少人数で、本能寺の寝所に入り、光秀を誘き出す事とした。

信長にとっても、人生一番の大勝負。
自ら囮(おとり)となり、光秀に本能寺を攻めさせる魂胆なのだ。

信長の策略は、地下道を通って南蛮寺へと抜け、まずは姿をくらます事。
そして、即座に安土に引き返し、兵を興し、一気に光秀を攻める。

そしてそれに乗じ、謀反に荷担した公家/朝廷を徹底的に壊滅させてしまうという謀略だった。