信長、蘇生せよ、この悲観の中に
だが、奈美はまだもう一つ合点が行かないようだ。
「えっ、そんな真実初めて聞いたわ、明らかに、それって、高見沢さんの作り話しなんでしょ」
「嘘じゃないよ、本当の話しだよ、信じないのだったら、焼きまったけ食べるの止めようか?」
こんな反撃的な条件が飛び出して来て、若干ひるみながら、しかし問い詰めるように、奈美が次の質問を飛ばして来る。
「わかったわ、焼きまったけを頂くための最大限の譲歩をしたとして … それで日経平均の株価、どうやって上げるのよ?」
そんな詰問を受けてか、高見沢はぐっと力を入れて、一気に話し始める。
「だから今からでも遅くない、本能寺があった所を掘って行けば、信長の遺体が発見出来るということ、そうしたら、遺体からDNAを含む核が抽出出来る、それを卵子に移植して培養すれば、クローン胚が出来る、それをね、更に培養して、ES細胞(胚性幹:Embryonic stem cells)を作るんだよ、それを代理母の子宮に入れれば、信長のクローンを創生することが出来るんだよ」
作品名:信長、蘇生せよ、この悲観の中に 作家名:鮎風 遊