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信長、蘇生せよ、この悲観の中に

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「榊原なあ、織田信長はあと百年は静かに眠らせておいてやった方が良いと思うよ、理由はどうであれ、歴史の封印をそうむやみに開けたら駄目なんだよ、なぜなら、今の悲観相場からの脱出は、信長向きじゃない、ちょっとタイプが違ったんだよなあ、どちらかと言うと、秀吉君かな」

高見沢は、目標が達成出来なかった口惜しさが蘇って来たのか、曖昧模糊な言い訳口調となってしまっている。
しかし、榊原は異常に耳が良い。

「えっ、確か今、信長はちょっとタイプが違ったって仰いましたよね、それってどういう意味ですか? もう実行済みなんですか?」

榊原が鋭く高見沢の秘密に立ち入って来た。

「アホか! 単なる机上のシュミレーションじゃ、最近流行っている世直しゲームで遊んでいるだけだよ」
高見沢はかろうじて榊原の突っ込みをかわした。

「そりゃそうですよね、本能寺を実際に掘り起こすなんて、とても個人ベースじゃ出来ないっスよね、それにしても、高見沢さんて、塩漬け株ばっかりのくせに、ヤケに待ちの姿勢で、痩せ我慢張ってはるんですね、それで満足なんですか?」

「満足もへったくりもあるか! 株価は市場が決めるもの、それに合わせて、ハラハラと生きてるだけだよ」