洋ナシ体型のおっさん、落ちる!
第五話
<第五話>望遠鏡と少年と洋ナシオッサン
「ふんふふ~ん♪」
僕は鼻歌交じりで望遠鏡を持ってベランダへと向かった。
つい先日、僕の誕生日にパパに買ってもらったんだ。このあと来る友達に自慢するために、今のうちからセッティングするんだぁ。
僕は多少苦労しながらも、説明書通りに三脚を組み立てて、ベランダの格子の間に望遠鏡の筒を通すようにセッティングした。
「おお!! すごい! よく見えるぞ」
僕は望遠鏡から見える拡大された町並みに感動した。
一通り前方の景色を堪能した後、僕は望遠鏡が真上を向くように角度を変えて、太陽を直接見ないように上空をのぞいた。
「うわ!!」
突然のオッサンの顔のアップに僕は驚き、後方に尻もちをついた。その時
「びょえぇえぇええええ~」
という奇声をあげながら、洋ナシ体型のオッサンが屋上から飛び降りた。
作品名:洋ナシ体型のおっさん、落ちる! 作家名:タコキ