Da.sh
浜崎は、多重債務者の借財の整理屋だった。
リストラで多くのブラジル人やアジアからの出稼ぎ、不法入国者など職を失っても自国に帰ることができない者たちがいた。
彼らの行きつく先は闇金である。無論返せるはずなどない。昨今は高利貸しの取り締まりはきつくなっているが、それでも返済はできない。
浜崎は暴力団とは一線を画している。
多重債務者に当面の生活資金を貸して、借財を肩代わりする。そして仕事を斡旋するのだ。
日本人なら嫌がる、山の中にある飯場や船の乗組員である。
作業員を送りこむと数カ月分の給料をまとめて受け取る。
食事などは保証されているので、しかもお金を使う所もない彼らは困らないはずだ。
山の中や船に乗せてしまえば逃げ出すこともできない。
そういった人たちを守と俊介に監視させ、現場まで送らせていた。
金融会社と当人そして斡旋先からも手数料を受け取る。
決して悪くない報酬が得られた。