少女機械人形コーパス 第二幕
花立
「でも、生きていれば誰だって怖いのよ。どんな人間だって、生きるって言うのは恐怖感と戦うって事だもの。」
黎苑
「…そうね。美希は死ぬのは怖い?」
花立
「長く生きなくてもいいと…長く生きようだなんて思わない。10年前から本当に色んな事があって…。ある日からそんな風に思うようになった。
そう思ってからは生きるのが急に楽にはなったわ。…だから、デーケルターレにも乗っていられるんだと思う。」
黎苑
「美希…。」
花立
「そういう由加里は何が怖いの?」
黎苑
「あなたを失う事よ、美希。」
花立
「…っ。」
黎苑
「あなたはいつだって私を照らしてくれる。私の行く道を示してくれる。あなたいるから私は…。」
花立
「由加里…。」
ポロン…<SE>
<ピアノ止まる>
黎苑
「死なないで、美希。絶対に死なないで。」
花立
「死なないよ、私は死なない。」
黎苑
「約束。」
花立
「うん、約束。」
黎苑
「うふふ。」
花立
「何てったって私は天才パイロットだもの!それに、由加里の顔見たら何だか急に元気になってきちゃった。あはは、我ながらゲンキンな性格だわ。」
黎苑
「美希…。」
花立
「大丈夫。」
黎苑
「信じてる。」
花立
「うん。それじゃ、本当にもう行くね。」
黎苑
「気を付けて。」
花立
「色々有難う、邪魔してごめんねー。」
タッタッタ<足音去る>
ウィィィン<SE>
黎苑
「美希…。」
作品名:少女機械人形コーパス 第二幕 作家名:有馬音文