小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

少女機械人形コーパス 第二幕

INDEX|71ページ/115ページ|

次のページ前のページ
 

左文字
「コアとなった少女のパイロットを守りたい、死にたくないという思いが…どういうわけかは知らんが、デーケルターレの力になる。」
尾ヶ崎
「コアはダメージの殆んどを吸収します。それはつまり…。」
左文字
「ジョエルが喉を締め付けられた時、コアだったのは饗庭くるみだ。」
尾ヶ崎
「では…では彼女が姿を消したのは…!」
左文字
「声を失ったんだろう。同じように七々原の友人は視力を失い、妹は足を…」
尾ヶ崎
「もしかして…巳上主任も…っ。」
左文字
「ああ、そうだ。よう子はコアとなり…その記憶を失った。」
尾ヶ崎
「なんて…こと…。」
左文字
「尾ヶ崎、パイロットには近づくな。パイロットと懇意にさえならなければ逃れられる可能性は高い。」
尾ヶ崎
「……っ。」
左文字
「尾ヶ崎?」
尾ヶ崎
「いえ、なんでもありません。もうすぐ時間です、左文字参謀長どうかこれを…。」
左文字
「茅野博士の遺産…。」
尾ヶ崎
「…茅野博士の墓を開きました。」
左文字
「!」
尾ヶ崎
「でも、どうしても…私には…。」
左文字
「すまない、尾ヶ崎。俺がこんなとこにいるばかりに、お前の手を汚させたな。」
尾ヶ崎
「いえ…。その言葉だけで十分です…!」
左文字
「これは…。」
尾ヶ崎
「おそらく…カウンターワクチンです。」
左文字
「完成していたのか…!ならばなぜそれを投与しなかったんだ…。」
尾ヶ崎
「わかりません…。そのアンプルの中身も本当にカウンターワクチンの完成品なのか…そこまで調べる余裕はなく。」
左文字
「いや、有難う。確かに受け取った。」
尾ヶ崎
「はい、では私はこれで。」
左文字
「ああ、くれぐれも気を付けるんだぞ。」
尾ヶ崎
「はい。」
カツ<SE足音>
尾ヶ崎は退出しようと後ろを向いたそのままで、もう一度だけ唇を開いた。
尾ヶ崎
「左文字参謀長…私にとっての参謀長はあなただけです。どうか…。」
左文字
「尾ヶ崎…。」
尾ヶ崎
「失礼します。」
カツンカツンカツン<SE去る>
左文字
(尾ヶ崎、必ず無事でいてくれよ。)