少女機械人形コーパス 第二幕
花立
「くっ!このっ!」
しかし花立はそれにも負けじと、よりいっそうの力を込めBナイフを振り下ろし続け、触手群の奥に隠されているであろうコアを探す。
Bナイフによって削り取られた細胞群は跳ね上がり、デーケルターレの顔や腕や足にこびりつく。それらの一つ一つが蛭のように纏わりつきデーケルターレに対し吸引を始めた。その感触が神経ブロックを通じて花立にも届く。
花立
「きっもち悪ぃわっねぇっ!」
吐き捨て、花立はより一層の力を込めてナイフを振り下ろし、
白く巨大なヴィロネカートのコアを探す作業に戻る。
ザシュッザシュッザシュッ<SE>
幾度となく振り下ろし続けたその時、
ガキィンッ!<SE>
ひと際甲高い音が辺りに響き渡った。。
花立
「あった!」
ヴィロネカートの腹部の奥に隠されていたルビーのように赤い球体にBナイフが弾かれ、白い触手群はその球体を守るかのように中心部に向かって蠢き始める。
花立
「いっけぇええぇぇえぇぇっ!」
その瞳にコアを映し、大きく吠えながら花立は全身全霊でその赤いコアに向かってBナイフを振り下ろした。
<<アァァァァァァァアアアァッァァァッァァァァッッ!!>>
悲鳴のような甲高い金属音が辺りに響く。
作品名:少女機械人形コーパス 第二幕 作家名:有馬音文