少女機械人形コーパス 第二幕
地底都市マヌス Cエリア 居住区
廊下
皆
「ひかりちゃん、その怪我どうしたの?!」
<スチル有宮包帯 無表情>
有宮
「なんでもない。」
純
「ひかりちゃん…?」
有宮
「何。」
皆
「傷が痛むの?」
有宮
「薬が効いている。痛みは無い。」
純
「じゃあどうしちゃったの?怪我もそうだけど、なんかおかしいよ。」
有宮
「………。」
純
「ごめんなさい!怒っちゃった?」
有宮
「…怒る?」
皆
「うん、怒ってるみたいに見えるよ。」
有宮
「分からない。」
純
「?」
皆
「分からない…って?」
有宮
「…知識としてはある。怒る、腹を立てる…不快に感じるという事。でもそれをどうしたら実行に移せるのかが分からない。」
皆
「ひかりちゃん?」
純
「どうしちゃったの?なんか怖いよ…。」
有宮
「怖い…?…恐怖……。」
皆・純
「「………。」」
有宮
「そう…ボクは逃げたんだ。恐怖から。」
皆
「何を言ってるの…?」
純
「ひかりちゃんっ!」
有宮
「さよなら。ボクがいるべき場所はここじゃない。」
皆・純
「「ひかりちゃん?!待って!ひかりちゃん!!」」
双子の声など耳に届かないかのような無表情で、有宮ひかりはCエリアを立ち去った。
作品名:少女機械人形コーパス 第二幕 作家名:有馬音文