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少女機械人形コーパス 第二幕

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2月2日
午前10時00分

コーパス 作戦本部
土方
「それでは『楔の悪魔』に対する作戦を開始します。」
尾ヶ崎
「パイロットデーケルターレ搭乗完了。」
土方
「東堂君、聞こえる?」
東堂
『はい。』
土方
「敵を引き抜くだけの簡単な作業よ。とはいえ、相手は全ての元凶の『楔の悪魔』よ。油断しないで。」
東堂
『了解。』
尾ヶ崎
「システムオールクリア。異常なし。デーケルターレ発進準備完了!」
土方
「いけるわね?」
東堂
『はい。』
土方
「総司令。」
池峰
「…デーケルターレ発進!」
<スチル・ケージから地上へ昇るデーケルターレSE昇降音>
キュイィィィィィィィィィィン

<背景荒れ果てた地上・デーケルターレ直立>
ドゥッン
<SEデーケルターレ着地音>

東堂
「くっ。」
土方
『目標の確認は出来てるわね?』
東堂
「前方に捉えてます。」
土方
『『楔の悪魔』に近づくほど、その腐敗濃度は濃くなるわ。デーケルターレの特殊コーティングも長くは持たないから、作戦は迅速にね。』
東堂
「了解。開始します。」

言うなりモビリスレバーを思いきり引き、東堂は『楔の悪魔』に向かってダッシュを始める。
視界の中の『楔の悪魔』が大地を蹴る音と共に大きくなる。

野柳
(さて…そう簡単にいくかな。)

デーケルターレが『楔の悪魔』を射程に捉え、その腕を大きく伸ばしたその時だった。

ブシュウウウウウウウウウウウウウウウウッ

派手な噴射音と共に『楔の悪魔』付近の大地から黒い液体が噴き出した。

東堂
「っ?!」
黒い液体はその勢いを緩める事なく、大地から噴射し続ける。それは『楔の悪魔』の周囲をぐるりと壁のように囲んだ。

尾ヶ崎
『これはっ!高濃度の腐敗毒です!このまま近くにいてはデーケルターレの装甲は持ちません!』
池峰
『やむを得ん。撤退だ。』
野柳
『賢明なご判断です。ここでデーケルターレを失うわけにもいきませんからね。』
土方
『…了解しました。東堂君、すぐにそこを離れて。作戦は失敗、撤退よ。』
東堂
「了解。」

東堂は『楔の悪魔』を睨みつけたまま、後方へとデーケルターレを移動させる。
デーケルターレが引いたのを見届けるかのように、『楔の悪魔』の腐敗の壁も消えていった。