少女機械人形コーパス 第二幕
<<痛いわ…美希…。>>
花立
<っ!?>
<<痛いですわよ、美希さん…。>>
花立
<う…嘘よ…。そう…嘘よ…!>
<<美希…お願い止めて…私達…友達じゃない…。>>
花立
<…嘘よ!嘘よ!嘘よ!こんな事あるわけがない!>
<<美希さん…>>
花立が思わず目を伏せたその瞬間、
花立
「ぃっ!!」
花立の全身を壮絶な痛みが襲った。
花立
<ああああああああああああああああっ!!>
ジョエル
「うぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
ジョエルの断末魔の悲鳴がコクピット内に響き渡る。
花立
<そん…な…こんな痛みって…なん…>
先の戦いで痛覚を奪われ、その痛みの半分は麻痺している花立でさえ息も絶え絶えであった。ジョエルは容易く意識を喪失したに違いない。
花立
<何……。>
花立は必死に状況を確認しようと、項垂れた頭を持ち上げる。
視界に映ったのはデーケルターレのその機体に白い細胞達が群がっている姿だった。そしてその細胞の触れている場所は溶解を始めていた。
生きながらにして焼かれるような痛みが全身を襲う。
花立
<うがぁっああああああああっ!!>
デーケルターレの装甲がドロドロと落ちていく。青い機体は黒く歪み、その形状が崩れつつあった。
花立
<はぁーっ…はぁーっ…はぁーっ…>
アルカ装置の中の花立の皮膚が焼け爛れていく。
作品名:少女機械人形コーパス 第二幕 作家名:有馬音文