少女機械人形コーパス 第二幕
花立が意識を集中すると、デーケルターレは駆け出した。
パイロットして多くの経験を積んできた彼女は、コアからの干渉はあるいはパイロットそのものを操る事すら可能ではないのかと仮定した。
揺さぶったジョエルの精神は今や脆く無防備で、そこに侵入するのは容易かった。
天才パイロットと言われた少女は今、コアとしてアルカ装置に配置されながらも尚、デーケルターレを操る事に成功した。
花立
<許さない…何もかも…!>
東堂が使っていた刀を鞘から抜き、緩慢な動きで接近するヴィロネカートに向かい、一気に駆け出す。
花立
<死ねぇーーーーーっ!>
振りかざし、ヴィロネカートの右肩から左の腰まで一気に切り裂く。
<<キィアアアアアアアアアアアアアアアアア!!>>
悲痛な叫びをあげるヴィロネカート。
花立
<痛い?痛いの?ふふふふふふふふふふふっ!!>
ヴィロネカートはその目を見開き、腕を振り上げデーケルターレに拳を浴びせる。
ドゥゥゥゥゥゥゥンッ!
衝撃でデーケルターレは体一つ分後退させられる。
ジョエル
「がぁああああああああああっ!!」
花立
<ふ…ふふ…。そうよね、ジョエル。あんたは痛いわよね。でも私は…私の痛覚は…。>
ライフルを肩から降ろし、セーフティを解除しヴィロネカートをターゲッティングする。
花立
<私の痛覚は…ほんの数時間前にお前が奪っていったのよっ!>
パパパパパパパパパッパパパパッパパパッパパパッ!!
至近距離から連射された銃弾がヴィロネカートの体に無数の穴を穿つ。
<<キィアアアアアアアアアアアアアアアアア!!>>
叫び苦しみもがきながらもヴィロネカートはデーケルターレに接近する。
作品名:少女機械人形コーパス 第二幕 作家名:有馬音文