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カナカナリンリンリン 第二部(完結)

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第二部 

寒い。落ち着いたところで胸から下がが濡れたままであることに気づいた。私はズボンを脱ぎ、ちょっとためらって周りをみてからトランクスも脱いだ。Tシャツは裾の方を絞って水を出した。リュックからタオルを出して身体を拭いた。一通り拭くと、タオルはびっしょりになった。トランクスの水を絞り履く。夏とはいえ、山の中であるので気温は低い。それでも直射の太陽があたっていればすぐに衣類も乾き、身体も温まるのだが、あいにく曇っている。震える身体にタオルを十分に絞って乾布摩擦を行った。それでも寒さは収まらない。私はリュックの中を調べ、雨合羽を取り出して着てみた。だんだん身体が温まってきて、ふーっと安堵の息を吐いた。

遠いところで雷の音がする。さらに曇ってきて辺りは薄暗くなってきている。誰もいないこの滝に薄暗さはあまりにも寂しい。もういちど絹の滝を眺めた。長く白い水が何事も無かったように滑り落ちている。少し身体が温まったところで、ズボンを絞って水を出した。これもまた小さな滝のようにしたたり落ちる。少しずつ部位を変えながら絞った。だんだん手も疲れて、俺はこんなところで何をしているのだろうと、情けなくなってくる。

私は位牌を箱に入れリュックにしまった。それからベンチに広げてあるズボンを、もう一度力を込めて絞った。