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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第十回】飛ぶ計画

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「ハイ、いっちにいちに」
パンパンとマホが手を叩く
「…ドゥ?」
京助がチラッとマホを見て聞く
「さっきよりはちゃんと動いてるけど…なんで半透明なのかな」
京助の背中にある羽根っぽいソレを見てマホが言う
「てか…なんでお前こんなん生やしてるワケ?」
羽根っぽいソレを突付きながらマホが聞く
「知らんがな;」
京助が言った
「こりゃ…地道に歩いて宮に行った方はやいな」
マホが頭を掻いて宮を見た
「ところでお前は何で宮に行きたいわけ?」
歩きながらマホが京助に聞く
「なぁ?」
返事がなかった京助にマホが再度呼びかける
「返事くらいしろよ」
溜息を吐きつつマホが振り返った



「いないねぇ;」
南が腰をトントン叩いて伸びをしながら言った
「結構探したけどサァ;」
坂田が溜息をついた
「手分けが出来ない分時間が掛かるよな…」
中島が辺りを見渡しながら言った
「貴方達まで迷子になってはお手上げですから」
乾闥婆が言う
「けんちゃん~なんかこう…探し物発見する術とかないの?」
南が聞く
「僕等は魔法使いではないんですよ? そんなものはありません」
乾闥婆が言い切った
「じゃあの技とかって何」
坂田が聞く
「アレは宝珠の力です…宝珠とその宝珠に選ばれた…僕や迦楼羅…緊那羅の心が合わさって初めて宝珠の力を引き出せるんですよ」
乾闥婆が言った
「宝珠が選ぶのか?」
中島が聞く
「そうです…何をどう基準として宝珠が使い手を選ぶのかはわかりませんが…僕自身も宝珠に選ばれた理由はわかりません…何故僕を選んだのか…僕は自分の解釈で受け入れていますけど」
乾闥婆が言う
「自分の解釈? 何?」
南が聞くと乾闥婆(けんだっぱ)が一呼吸置いて口を開いた
「罪です」
乾闥婆がにっこりと笑って言った
「罪…ってお前何かやったのか?」
坂田が聞いた
「やったから罪なんじゃないんですか?」
乾闥婆がにっこりと笑顔で返した
「まぁ…そらそうだけど…結構大きなことやらかしちゃったの?」
南が聞くと乾闥婆が自分の胸に手を添えて目を閉じた
「…結構どころじゃない…ですね…僕は罪の塊なんです」
乾闥婆が言うと3馬鹿とゴが顔を見合わせた
「けんちゃん…ワル?」
南が言う
「…さぁ京助を探さないと」
南の質問には答えず乾闥婆が歩き出した
「…深く突っ込んでいいところだと思う?」
坂田がボソッと投げかける
「いや…埋めたほうがいいとおもう」
中島が答えると一同が頷き先を歩く乾闥婆の背中を見た
「おいていきますよ」
乾闥婆が振り向いて言った

作品名:【第十回】飛ぶ計画 作家名:島原あゆむ