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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第十回】飛ぶ計画

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「お前の知り合い?」
「知るか!!; 俺は自慢じゃねぇけどこんな素敵なお知り合いはいませんッ!!;」
マホが聞くと京助が喚いた
「うるせぇ!」
京助の手首を掴んでいた少し色黒の男が怒鳴った
「なんなんだよッ!!;」
京助がその男を見上げて怒鳴り返した
「お前の背中のソレといい向こうのヤツの宝珠といい…お前等宮のモンだろ」
ゾロゾロと出るわ出るわしてくる柄の悪い集団の頭っぽい男が京助とマホを顎で指して言う
「違うって言ったら?」
マホが言った
「お前は違うって言ってもコッチのヤツの背中…こりゃ間違いなく宮の力持ちだってことは俺らでもわかる」
頭っぽい男が京助を見た
「俺は健全な良い子の遅刻常習犯な一般男子中学生だッ!!;」
京助が怒鳴った
「何わけのわからねぇことぬかしてやがんだコイツ」
京助の腕を持つ男がヘッと笑う
「てかもし宮のヤツだったとしてお前等俺達をどうしたいんだよ」
マホが面倒くさいことになっちゃったよマイッタネという感じにやる気なく聞いた
「宝珠を渡せ」
「簡潔だな」
頭っぽい男が言うとマホが突っ込んだ
「そうすりゃ何もしねぇで離してやる」
「てッ!;」
頭っぽい男の言葉に京助の腕を掴む男が京助の腕をもつ手に力を入れた
「俺のお気に入りなんだよねソイツ」
マホが京助を見た
「だったら宝珠を渡せ」
頭っぽい男がマホに近付く
「コレは宝珠じゃない」
マホがキッパリと言い切ると頭っぽい男の口元が笑った
「それにソイツは宮のヤツでもない」
マホが京助を指差した
「宮のヤツ以外にこんな変なモンつけてるヤツなんざいねぇだろ?なぁ?」
「いてぇッ!!; はなせッ!!;」
京助の腕を掴む男が京助の背中にある羽根っぽいソレをぐいっと引っ張ると京助が痛がった
「なんだ感覚あるんじゃん」
マホがけろっとした顔で言う
「知らねぇって!; はなせって!!;」
京助が喚く
「うるせぇッ!!」

集団の中の一人の男が京助めがけて拳を振り下ろしてきた
3馬鹿や緊那羅(きんなら)とかからはふざけあいやそんなカンジではよく殴られていた京助の体がぐらついた
「さっきの威勢はどこいった?」
殴った男がヘラヘラ笑ながら京助の髪を掴んだ
「コレ本当に飾りなんじゃないか? 宮のヤツがこんな弱ぇえわけねぇぞ?」
集団の中から声が上がった
「そうかもしれない…がコレはコレでいい見世物になりそうじゃん?」
京助の腕を持つ男が頭っぽい男を見た
「助けてほしい?」
霞む京助の目に映ったのは下から笑顔で覗き込むマホ
「…すけろよ…;」
まるで某どっかの眠い人の様な話し方で京助が言う
「なんだお前も…」
京助を殴った男が今度はマホめがけて拳を上げた
作品名:【第十回】飛ぶ計画 作家名:島原あゆむ