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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第十回】飛ぶ計画

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「無理なんだやな----------!!;」
ゴが叫んだ
「犬だろ! 何とかしろワン!!」
叫ぶゴに坂田も叫んで言う
「そうだワン! 仮にもご主人様じゃないかワン!!」
南も言う
「根性見せろだワン!!」
更に中島も言った
スパパパン
「ワンワンワンワンうるさいですよ」
そんな三人の頭を流れるように叩きながら乾闥婆が言った
「犬的語尾でお送りしましたワン」
頭をさすりながら南が言う
「にしても…困りましたね…」
乾闥婆が難しい顔をして俯いた
「何とかならんのか? 乾闥婆…」
中島が真顔で聞く
「鳥さんなら飛んで探せるんじゃない?」
南が言う
「迦楼羅の手は借りません」
乾闥婆がキッパリと言い切った
「貴方達を連れてきたのは僕です…僕が責任を持ちます」
乾闥婆が顔を上げた



ダダダダダダダダダダダダダダダダ

「だぁッ!!; しつこいッ!!」
阿修羅が走りながら喚く
「宮司は律儀だからね」
鳥倶婆迦が言う
「このままじゃ…;」
緊那羅がチラッと後ろを振り返った
「捕まるより先に誰かにばれると思う」
鳥倶婆迦が言うと阿修羅と緊那羅が顔を見合わせた
「ねぇ」
そんな二人に鳥倶婆迦が呼びかけた
「外に逃げるとかしないの?」



桃色の玉が黒い紐の先で揺れている
「変わってるねーやっぱり格好からしてそうかとは思ったんだけど」
マホが京助を見て言う
「宮に行きたいなんてさ」
頭の後ろで手を組んだマホが宮の方を見た
遠くかすむ宮と呼ばれる建物
巨大で美しくそしてどこか好きになれないそんなオーラが感じられる
「どんくらいでつくんだ?」
京助がマホに聞いた
「お前次第」
マホが京助の背中に回った
「コレが使えるならあっという間」
そして手を京助の背中に伸ばす
「コレ…って」
京助が身をねじって背中を見ようとする
「でも使えそうにないな…コリャ…」
ツンツンと京助の背中にある半透明の羽根をマホが突付いた
「…お前もしかして鳥類…迦楼羅の仲間かなんかか?」
京助が言うとマホが目を大きく見開いた後
「し------------------ッ!!;」
そう言って京助の口を手で押えながら周りをキョロキョロ見回した
「…ココじゃそいつ等の名前は言わない方がいいぜ」
手を離しながらマホが言う
「何でだよ;」
口を拭いながら京助が聞く
「何でも」
マホが口の前に人差し指を立てて言った
「捕まってもいいなら言ってもいいけど」
マホの目は至って真剣そのもので京助は黙った
「…やつ等の力と宝珠と立場…欲しいやつ等はわんさかいるんだ…」
小さな溜息混じりでマホが言った
「んなの…別にあってもなくても同じなんだと思うんだけどな」
腰に手を当てたマホが言う
「ってかソレ…隠せないのか?」
マホが京助の羽根を軽く引っ張った
「隠せって…言われてもナァ; 俺は見えねぇし…感覚もねぇし;」
京助が言うと羽根がパフパフと動いた
「動かせはするのか」
マホが言う
「は? 別に動…いてんのか?;」
京助が聞くとマホが頷いた

作品名:【第十回】飛ぶ計画 作家名:島原あゆむ