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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第十回】飛ぶ計画

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「本当…よくここまでこれたもんだぁな;」
曲がり角から首だけを出して辺りをきょろきょろ見ながら阿修羅が言った
「宮司に見つからないにしろ…誰かかにかに会ってもおかしくないんよなー…」
首を引っ込めた阿修羅の目線の先には緊那羅と鳥倶婆迦
「おいちゃんは計算した通路を通ってきただけだよ」
鳥倶婆迦が胸を張って言う
「計算が鳥倶婆迦の力なんだっちゃね」
緊那羅が笑った
「お暢気さんだぁなァお前さん達;」
阿修羅が苦笑いで二人を見る
「でもまだおいちゃんの計算には続きがあるんだ」
阿修羅の後ろを小走りで追いかけながら鳥倶婆迦が言った
「なんだっちゃ?」
阿修羅が足を止めたのを見た緊那羅が自分も足を止めて鳥倶婆迦に聞く
「おいちゃんの計算ではおいちゃんの話を聞いた3馬鹿が京助に会っておいちゃんが話したことを京助に話して…」
前にずり下がってきた帽子を直しながら鳥倶婆迦が話し始める
「ソレを慧喜が聞いたらたぶん慧喜も来る」
「わぷ;」
鳥倶婆迦がそういうと阿修羅が止まってその阿修羅に緊那羅がぶつかった
「…その可能性…アリやな;」
阿修羅がハァと溜息を吐いた
「ってことは…」
緊那羅が鼻を押えて阿修羅からはなれると鳥倶婆迦を見た
「…輪をかけて事が大きくなっちゃうんやねー…」
阿修羅がもうこのさいなんとでもなっちゃえ的口調で言った
「それよかオライは…緊那羅が向こうに帰ったって事を知ったまごっちょの事のが心配だぁわ;」
緊那羅の方をチラッと見た阿修羅が言う
「おいちゃんもソレは思う」
鳥倶婆迦も緊那羅を見上げた
作品名:【第十回】飛ぶ計画 作家名:島原あゆむ