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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第十回】飛ぶ計画

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「待ちなさいそこの赤い人!!」
乾闥婆が声を上げると何事かと赤い上着の人物も含めて周りの人々も乾闥婆を見た
「…表立った行動はできないんじゃなかったんだやな?」
ゴがどこから持ってきたのか試食用っぽい食べ物をもくもくと食いながら突っ込む
「赤い人って…僕ですか?」
赤い上着の人物が自分を指差して言う
「そうです」
乾闥婆がにっこりと笑顔で頷く
「僕が何か…」
乾闥婆に方に歩み寄ると赤い上着の人物が一瞬止まってそしてマジマジと乾闥婆の顔を見始めた
「…オイ」
その光景を見ていた中島が京助を肘で突付いた
「ハイ」
京助が返事をする
「けんちゃんってもしかして結構顔売れてたりしちゃうかも?」
南が言う
「…そうかも?」
京助が言うと赤い上着の人物が驚きの顔をして
「け…乾闥婆様だ-----------------------------------ッ!!;」
まるでエベレストの頂上で登頂記念にヤッホーと叫ぶかのごとく大声で乾闥婆の名前を叫んだ

「のわけないじゃないですか」
赤い上着の人物の叫びに乾闥婆が笑顔で返した
「乾闥婆様がこんなところにいると思いますか? よく似てるといわれますけど僕は違いますよ」
ニコニコとしかし裏がありそうな笑顔で言う乾闥婆を京助と3馬鹿そしてゴが見る
「…嘘は嫌いなんじゃなかったんだやな?」
ゴがボソッと言う
「…嘘も方便?」
南が言う
「そう…だよな…いや; スマン;」
赤い上着の人物が乾闥婆に向かって頭を下げた
「そっちのヤツもゴメンな? 僕がぶつかったみたいだそうじゃないか」
今度は南に向かって謝る赤い上着の人物に南が軽く頭を下げた
「…いいヤツっぽくてなにより」
坂田が言った
「ってか【様】付けだってよ」
京助が乾闥婆に言った
「言ったでしょう…僕は一応立場があるんですって」
しれっとした顔で京助の隣にきた乾闥婆が言う
「…お偉いさん?」
中島が乾闥婆に聞いた
「偉くはないと思います…が役目が大きいというのでしょうか」
乾闥婆が言う
「役目?」
足を進めだした乾闥婆の後ろを歩く坂田が言った
「【時】に関わる…【時】の為の役目とでも言っておきます」
人並みを縫うようにして進みながら乾闥婆が説明する
「なぁ…まだ教えてくれねぇのか? その…【時】っての」
京助が聞くと乾闥婆が足を止めた
「あ…いや; なんつーか…その…前の【時】の話をさ…鳥類が…」
「迦楼羅が?」
またチョップか何かの攻撃を食らうと思った京助がしどろもどろ言うと乾闥婆が振り向いた
「…迦楼羅が…話したのですか? 前の…【時】の事を」
乾闥婆が京助に聞く
「まぁ…【時】の話って言うよりは…コイバナ?」
京助が言った
「何? 鳥さんの昔話? ってか鳥さんっていくつなわけ?」
南が話に割って入ってきた
「コイバナってへー…青春INGだねぇ」
中島も入ってくる
「前の【時】ン時に…」
「沙紗ですね」
作品名:【第十回】飛ぶ計画 作家名:島原あゆむ