【第十回】飛ぶ計画
「行きますよ」
乾闥婆の声がした
「…どこに持ってたんだやな…」
ゴの視線の先にはあの独特の帽子姿ではなく髪を団子状にして布の中に詰め込みそしていつもよりラフな服装になった乾闥婆
「何? 何で着替えんの?」
南が聞く
「僕も一応立場があるので表立った行動はあまりできないのです」
乾闥婆(けんだっぱ)が歩きながら答えた
「お忍びけんちゃん」
坂田が言うと乾闥婆が (黒い)笑顔で坂田を見た
「気づかれないうちに宮まで行かないと…」
乾闥婆の笑顔を見て固まった坂田をヨソに乾闥婆が宮と呼ぶ巨大な建物を見た
「無駄話は謹んでそして僕から離れないでついてきてください」
乾闥婆(けんだっぱ)が一同を見渡して言う
「了解」
「アイアイサー」
「おー」
「わっかりー」
「ヘイヘイ」
各々好き勝手に返事を返した
異国のようなでもどこか正月町に似ているようなそんな街並み
見たことあるような顔
見たことあるような店
見たことあるような品物
「あ、ピーマンっぽくね?」
坂田が店先に並んだ野菜のようなものを見て中島の肩を叩いた
「こっちなんだかアイスみたいの売ってんぞ」
京助がその少し先を見て言う
「人多いねぇ」
乾闥婆のすぐ後ろで南が言った
「観光に来たんじゃないんですよ」
乾闥婆がピシャリと言う
「服装も似たり寄ったりなんだな…俺等と」
中島が行き交う人の服装を見て言った
「なんでお前等だけあんな特殊な変な格好してんだ?」
そして続けて中島が乾闥婆に聞いた
「別に特殊でもなんでもないでしょう…アレが僕等の正装なんです」
乾闥婆が答えた
「なんか…ココ…【天】? って…いろんな国とかミックスってカンジ?」
京助が言う
「そう…言えてるかもな…アイツなんかインドっぽいけどコッチはなんだかワッフウだし」
坂田が指をさして言った
「建物だってそういう感じだしねぇ…不思議不思議」
南が笑いながら言うと乾闥婆が振り向いた
「無駄話は慎んでくださいと言ったでしょう?」
乾闥婆がにっこりと (黒くそして怖く)微笑んで言う
「だって…だっ!;」
言いかけた南が何かにぶつかってコケた
「いつ~…;」
コケた南が膝をさすった
「あのやろぶつかってきて謝らねぇで…」
京助が赤い上着を着て歩いていく人物を睨んだ
「今のは明らかにあの人が悪いですね」
乾闥婆も言う
「いいよいいよ; ぼーっとしてた俺も悪いし」
南が坂田の手を借りて立ち上がると苦笑いで言った
「そうはいきません。悪いものは悪いですから」
乾闥婆が赤い上着を目で追っている
乾闥婆の声がした
「…どこに持ってたんだやな…」
ゴの視線の先にはあの独特の帽子姿ではなく髪を団子状にして布の中に詰め込みそしていつもよりラフな服装になった乾闥婆
「何? 何で着替えんの?」
南が聞く
「僕も一応立場があるので表立った行動はあまりできないのです」
乾闥婆(けんだっぱ)が歩きながら答えた
「お忍びけんちゃん」
坂田が言うと乾闥婆が (黒い)笑顔で坂田を見た
「気づかれないうちに宮まで行かないと…」
乾闥婆の笑顔を見て固まった坂田をヨソに乾闥婆が宮と呼ぶ巨大な建物を見た
「無駄話は謹んでそして僕から離れないでついてきてください」
乾闥婆(けんだっぱ)が一同を見渡して言う
「了解」
「アイアイサー」
「おー」
「わっかりー」
「ヘイヘイ」
各々好き勝手に返事を返した
異国のようなでもどこか正月町に似ているようなそんな街並み
見たことあるような顔
見たことあるような店
見たことあるような品物
「あ、ピーマンっぽくね?」
坂田が店先に並んだ野菜のようなものを見て中島の肩を叩いた
「こっちなんだかアイスみたいの売ってんぞ」
京助がその少し先を見て言う
「人多いねぇ」
乾闥婆のすぐ後ろで南が言った
「観光に来たんじゃないんですよ」
乾闥婆がピシャリと言う
「服装も似たり寄ったりなんだな…俺等と」
中島が行き交う人の服装を見て言った
「なんでお前等だけあんな特殊な変な格好してんだ?」
そして続けて中島が乾闥婆に聞いた
「別に特殊でもなんでもないでしょう…アレが僕等の正装なんです」
乾闥婆が答えた
「なんか…ココ…【天】? って…いろんな国とかミックスってカンジ?」
京助が言う
「そう…言えてるかもな…アイツなんかインドっぽいけどコッチはなんだかワッフウだし」
坂田が指をさして言った
「建物だってそういう感じだしねぇ…不思議不思議」
南が笑いながら言うと乾闥婆が振り向いた
「無駄話は慎んでくださいと言ったでしょう?」
乾闥婆がにっこりと (黒くそして怖く)微笑んで言う
「だって…だっ!;」
言いかけた南が何かにぶつかってコケた
「いつ~…;」
コケた南が膝をさすった
「あのやろぶつかってきて謝らねぇで…」
京助が赤い上着を着て歩いていく人物を睨んだ
「今のは明らかにあの人が悪いですね」
乾闥婆も言う
「いいよいいよ; ぼーっとしてた俺も悪いし」
南が坂田の手を借りて立ち上がると苦笑いで言った
「そうはいきません。悪いものは悪いですから」
乾闥婆が赤い上着を目で追っている