【第十回】飛ぶ計画
「緊那羅!!;」
中島が駆けて行く緊那羅を呼んだ
靡く緑色の髪飾りに人ごみが視線を向けた
「緊那羅様?」
「そうだ緊那羅様だ!!」
誰かが言った一言に誰かが便乗してその波紋が広がる
「ばっか!!; あの格好で…ッ;」
「貴方もその格好で行ってどうするんです!!」
緊那羅を追いかけようとした阿修羅の服を掴んで乾闥婆が言う
「でもじゃ…ッ!!;」
阿修羅が緊那羅の駆けて行った方向と乾闥婆を交互に見て焦る
「俺等が…」
「迷子になります確実に手間が増えるのでやめてください」
申し出ようと挙手した坂田に乾闥婆が言うと坂田がメソリメソリと泣き真似をしその坂田の頭を中島が撫でた
「ラムちゃん京助絡むと突っ走るねぇ」
南がヤレヤレというカンジで溜息を吐いた
「ワシが上から…」
「貴方ほどの階級所持者が出て行っては余計大騒ぎになるでしょう?」
迦楼羅が上を見て言うと乾闥婆がまたすかさず返す
「じゃぁどうするんだやなッ!!;」
ゴが両手を忙しなく動かして聞く
「おいちゃんの計算によると乾闥婆自分で行く気だね」
鳥倶婆迦がまだ阿修羅の背中に負ぶさったままで言った
「お前が行ったとて同じことだろう! たわけッ!!」
迦楼羅が怒鳴った
「僕の責任です」
乾闥婆が言う
「何でもかんでも一人でやろうとするな! たわけ!!」
迦楼羅が怒鳴ると小さく炎が出た
「僕が責任を持つと言う約束で連れて来たんですから僕の責任です」
「しかし緊那羅をココに連れてきたのはワシだ!!」
「つか緊那羅を向こうに連れて行こうって言ったんはオライ」
「俺等だって結構無理矢理ついてきたし?」
「許可なくコッチにきたのはおいちゃんだよ」
あーだこーだと言い合う一同の中の迦楼羅の服をゴがチョイチョイと引っ張った
「何だ?」
「緊那羅放置プレイなんだやな」
ゴの言葉にはたと空間の時間が止まった