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カナカナリンリンリン 第一部

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歩くスピードが違うので少しずつグループに追いついて行って、木綿の滝直前で追いついた。初老という感じのグループだった。男2、女4という割合で、長い上り坂を歩いて来た割には皆元気に話しをしている。これまで近隣の山歩きをしていても、若者より老人のほうが圧倒的に多いのを感じていた。ふと、自分もこの仲間でも不思議ない歳であることに気づいて、苦笑いする。

木綿の滝は、ほどよく落下と流れが混じった滝だった。滝の大きさの割に大きめな滝壺も青い色をみせて、誘っているようにも見える。それを感じたのか、
「○○さん、わたしと入水しようか。あなたとならもう死んでもいいわ」

グループの中の女が冗談を言うと、
「俺は△△さんと一緒ならいいけどな」

男はそう言って逃げたが、△△さんは誰なのか返事は無かった。
「ここは浅すぎるんじゃない」と別の男がまじめな声で言った。

お昼には未だ早いかなとか、写真をとろうなどと、もうそれぞれ皆が勝手なことを言い、大きな岩を恐る恐る乗ったり、滝壺に近づこうとしたりしている。