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カナカナリンリンリン 第一部

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案内板によると、バス停2つほどの距離に大小4つほどの滝がある。時刻表をみると、次のバスまでは1時間ほど間があった。曇天の太陽を見あげ、何とか歩いていけるだろうと私は滝を目指して歩き出した。歩いている者はもちろん、車もたまにしか通らなかった。曇っていてもやはり暑い。スポーツ飲料を飲みながら歩いた。10分も歩くとバス停が見えてきた。

さらに1停留所歩いて向こうからくるバスとすれ違った。二つに分かれる道をバスの来た方に歩いて行くと、大きな建物の入口だった。受付小屋のようなものが見えて、中にいる初老の男と目があった。私がその小屋に近づいて行くと、男は小窓をあけた。
「すみません。この辺の滝を見に行きたいのですが」

そう私が聞くと、男は「ここはこの施設だけの道で、ここから先へは行けないんですよ」と言ってから、少し考えたあと「うーん、大きなものから小さいものまで、いくつかあるんだが、何滝に行きたいの」と、私の姿を見ながら言った。
「別に決めてなかったけど、とりあえず一番近い所は」

私の答えをあらかじめ分かっていたように、
「まあ、一番近いのは、あそこに橋があるね、あのちょっと先にあるんだけど」と指を指し、続けて「わざわざ見に来る人はいないよ」と言ってから、それはどうでもいいというように「ほら、あの左の山の裾と右の山の裾がちょうど重なるあたりなんだけど」と、そしてそのあと男は、何とか商店というのがあって、その前がバス停であり、そこに滝に行く案内板があることを教えてくれた。
「ありがとうございました」私が礼を言って来た道をもどろうとすると、付け足すように「歩いて行くのかい」と言った。私はあいまいに頷いて歩き出した。歩き出してすぐのバス停で次のバスの時間をみたが、やはり1時間ぐらいは通らない。私は再び歩き出した。