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なっちょん
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novelistID. 25113
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蒼刃

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 今、彼の思考は先程の闘争の反省であった。

 例えば、着込みにしても、初めの舌刀で八割の虚言、抜刀の荒さで九割五分。大上段の構えで嘘と確信。

 しかし、着込みの無い首を斬っている。

「これじゃ、慎重過ぎるかな?」

 思考が呟きで出てしまった。篠原が怪訝な表情で聞いてくる。

「何がです?」

 その表情に愛嬌があって、斎藤は思わず笑ってしまった。

「いや、何でも無いさ」

 誤魔化すように月を見上げ、斎藤は言う。

「しかし、綺麗な月だな」
 
作品名:蒼刃 作家名:なっちょん