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なっちょん
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novelistID. 25113
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蒼刃

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 唐突に言われたが、篠原も思う所があるらしく、嘆息と共に言った。

「確かに...」
 
 月は、深い闇を裂いて蒼く夜を照らし、帰路を鮮やかに映す。斎藤はぽつりと言った。

「我々が刀であるなら、あのような蒼い刃でありたいな」

 篠原は無言で頷く。斎藤の見立てでは、彼は自分と同様の事を誓っているらしい。担い手は別である様だが。

「斎藤さん」

「何かね?」

「また、ご一緒したいものです」

 少し考え、斎藤は言った。

「そうだな」

 こうして、斎藤一と篠原泰之進は一つの仕事を終える。彼ら蒼刃達の縁は、先々も続いて行くのだが、今宵は此処まで。

 二人は蒼月の闇を、ひたひたと去って行った。

                              了
作品名:蒼刃 作家名:なっちょん