小説が読める！投稿できる！小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ！

　
　黙った武田は、大上段に構えて斎藤を睨む。

　斎藤は左肩を向けた半身と変化し刀を引き、下段に構える。

　その肩含めて、体全体が少し沈む。

　機であり、隙とみた武田は、大上段から切り下ろした。

　これが誘い、刀法にある後の先だと、武田が気づいたかどうか？

　斎藤一は出していた足を軸足まで引き、体を戻す動作、それだけで、狙っていた肩が消え、武田の刃は闇だけを斬って、体制が崩れる。

「っ！？」

　目を見張る武田へ、無銘の刃が弧を描き、月光を受けた蒼刃が、無防備な頸を捕らえ、斬り裂いた。