俺とみこの日常 3話
ふう、健太のヤツ、信じてくれないとは………ってそうか。
普通は信じないよな、こんなこと。
そう考えている間に家に帰り着いた。
ガチャガチャ
「あれ?鍵かかってる」
まだみーたん帰ってきてないのか。
ってまだ4時前か。
ガチャ
「ただいま〜」
家に誰もいないときでも一応”ただいま”とは言う
防犯上での我が家のルールだ。
おととい、みーたんと決めた。
「たっだいま〜!ってあれ?そーくん?今日早いね!」
「部活が休みだったからな」
ふーん、といった感じで
「じゃあそーくん、一緒に遊ぼ!」
「なんでそうなる!?」
「嫌なの?」
嫌ではない。ただ、今朝、あんな失礼なこと言ったのに、なぜこうも変わらずに接してくれるんだろう。やさしさか、それともただ単に忘れてるだけか…。
「嫌じゃない、けど…」
「ならいいじゃん」
「今から健太が家に遊びに来るからなぁ…」
「今から?時間少なくない?」
「あ、”遊び”ってよりむしろ”確認”か」
「何の?」
「いや、みーたんの読心術」
みーたんの動きが固まった。
「いや〜、健太が信じてくれなくて」
「だから、『見せてやる』って?…」
みーたんが少し震えている。
「おう」
「っ、そーくんのバカーーー!!!!!」
今度は俺の動きが固まる。
「なんでそんなこと言うの!!!?」
「いや、話の流れでつい……」
「こんな事を”つい”とか、軽く言わないでよ!!!」
みーたんが怒ってる……?
「なんで急に……」
「急に、じゃない!!もういい、そーくんなんて知らない!!!」
そう言って、走ってどこかへ行ってしまった。
作品名:俺とみこの日常 3話 作家名:ざぶ