ぼくと・・・
「今度の体育会で、ぼく走る選手に選ばれたんだ」
「わあ、すごいじゃない」
おかあさんは、脚のことを気にさせないようにはしゃいだ。
でも、まだ元気の無いまことくんの話を聞いていくと幼い彼には長距離だ。
それに活発に遊ぶまことくんだが、続けてその距離を走ったことがなかった。
園で練習が始まって、まことくん自身も知ったことだった。
「半分くらい走ると、あしが(もーいやだー)って止まっちゃうの」
「そうなんだ。じゃあまこと、半分と半分と思って少し止まってから走ってみたら?」
「そんなんじゃ、競争にならないでしょ」
もっともな言葉を返されておかあさんは、まことくんを見つめて言った。