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愛の深度計

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今日も昼休み、高見沢はボ−としている。
しかし、それは以前とは違っている。
もう新聞を読んでいない。
その代わりに、頭の中はパンクしそうにアホな思考がグルグルと回っている。

そして突然、高見沢は立ち上がり、前回とは反対に榊原の方へとすり寄って行った。

「榊原、最近調子どうだ?」
「まあまあですね」
榊原から気のない返事が返って来る。

「ところで、この間の愛の5つのハ−トマ−ク、どうだった?」と高見沢は聞いてみた。
「ああ、高見沢さん、ありがとうございました、あの5つのハ−トマ−ク意外に好評でして、今のところなぜかわかりませんが、ウチのカミさん、ちょっと情緒安定してますよ、

だけどですよ、それを具体的に証明して頂戴って、いつ言われるか、毎日ヒヤヒヤしてるのですよ」と、榊原が話しに乗って来た。

「そうだろうなあ、実は榊原、そういった深刻な悩みを解決するために、愛の深度計を造ろうと思ってるんだよ、

それで、頼みがあるのだけど … 俺のパ−トナ−になってくれないか?」
高見沢は榊原に頭を下げた。

「えっえー、愛の深度計ですか? 
高見沢さんてやっぱり面白い発想するんですね、だけど、そんなの本当に造れるのですか?」

「やってみないとわからないね、正直言ってベンチャ−だよ、だから君みたいな誠実なパ−トナ−が必要なんだよ」
高見沢の説得に力が入って来る。


作品名:愛の深度計 作家名:鮎風 遊